車のハンドルには“遊び”があります。これは、ハンドルを少し切ってもタイヤが動かず、タイヤが多少の溝に落ちたりや小石に乗ったりしても、急に車が蛇行しないように設けられています。「多少の狂いが生じること」を受け止めるシステムなのです。ましてや人間であれば、24時間周期を正確に計測して活動することができないのは当然です。
時計を使わずに日光も全く遮断し、被験者に時間が分からないようにした部屋で、好きな時間に眠り、好きな時間に起きるようにしてもらった実験結果があります。しばらくそのまま生活させると、多くの被験者は25時間周期で寝起きするようになったということです。このことから、人間の脳はもともと25時間周期のリズムを持っていて、毎日、朝日を浴びることでリセットし、リズムを24時間周期に調節し直していることが分かりました。
その後、人がもともと持っている周期が25時間だということに対して懐疑的な研究データも見つかったようですが、いずれにしても、人は24時間よりは長い固有の周期を持っていて、それを光で調節しているということについては、研究者の間で一致しています。
朝、起きて太陽を浴びることで、脳内の時計がリセットされます(目覚めてから4時間以内が良いと言われます)。どんなに夜更かししても、同じ時間に起きることが身体のリズムを正常に保ち、病気を遠ざけるためには良い方法です。